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材料について
以下に述べる材料はこのサイトで紹介している作品を作る上で使用したものを中心に解説しています。 状況変化に応じて随時加筆・修正がありますのでご承知置きください。
●
木材(板材)
合板
ランバーコア
チップボード・OSB
MDF(スターウッド)
単板(ムク板)
レッドウッド
SPF
ホワイトウッド
集成材
木口テープ
●
ネジ・釘
木ネジ
タッピングネジ
コーススレッドネジ
スレンダースレッドネジ
ナット
小釘・特殊釘
隠し釘
仮釘
●
接着剤
木工ボンド
合成ゴム系
瞬間接着剤
エポキシ
タイル・コンクリート用
●
パテ
木工パテ
エポキシパテ
コーキング
●
ダボ
木ダボ
ニッケルダボ
ラミン棒
●
蝶番
普通の蝶番
スライド蝶番
特殊蝶番
●
スライドレール
2段式スライドレール
3段式スライドレール
重量級スライドレール
●
ツマミ・取っ手
ツマミ
●
塗料
油性塗料
油性ニス
油性ペイント
油性屋外木部用
水性塗料
水性ニス
水性ペイント
水性屋外木部用
ステイン
●木材
(板材に絞ります)
合 板
ベニヤ板とも言いますが日曜大工には欠かせない材料です。その理由は、
* 色々な厚みが標準でそろっており、厚み調整加工の必要がない。
* 単板(ムク板)に比べてそりの発生が少ない。
* 大きな幅のものが容易に手に入る。
* 価格が手頃。
等ですが、木口処理をうまくしないと、安っぽい感じの外観になってしまうと言う問題があります。 また柱、梁などの構造材用にも使いにくいですが、家具などの製作で問題になる事ではありません。 合板には表面に貼ってある板材により、ラワン合板、シナ合板、針葉樹系合板などありますが、我々にとって使いやすいのはラワン合板かシナ合板であると思います。
ラワン合板は低価格でありがたいのですが、ラワンの木目は多くて深いのでトノコやパテなどで木目をつぶそうとしたら仕上作業が大変です。その点コストは高いもののシナ合板は非常にきめ細かく綺麗な木目であり、ニス仕上、ペイント塗りつぶし何れの場合でも、塗装前の処理としていきなり
#240
のサンドペーパーを使って研磨するだけでよく、トータルの手間を考えると作業が楽で仕上がりも良いです。
針葉樹系の合板でラーチというものがありささくれが出やすく使いにくいですが、独特の風合いを生かした使い方が作品によってはあります。 米松合板もこの一種で、アメリカでは日本のラワン合板のように最もポピュラーな合板でスピーカーボックスを作るとなかなか素敵な響きを出してくれたのを思い出します。
合板の定尺(じょうじゃく)には
サブロク
(3尺X6尺で
91x182cm
)
と
シハチ
(4尺X8尺で
122x243cm
)
の2種類ありますが、天井まで届く家具の場合、一般的な天井高は
240cm
ですのでシハチを使うと無駄の少ない板取りが可能です。 又シハチの場合板幅が
122cm
ありますが、
122cm
というのは、
20cm
、
30cm
、
40cm
、
60cm
という家具製作に良く採用される幅の倍数より少し長いことから、設計を工夫すると端材
(余って捨てる部分)
が少なくなります。
ベニヤ板
の厚みは、
2.7mm
、
4mm
、
5.5mm
、
9mm
、
12mm
、
15mm
、
18mm
、
24mm
、
30mm
とありますが、強度、加工性両面から棚板や家具における柱とも言うべき側板部分には
18mm
厚のものを使っています。 それ以下の例えば
12mm
厚のものは、主として引出しを作る材料や小型の作品用に使用しています。 合板は薄板を木目が交互になるよう奇数枚貼り合わせものですが、この枚数をプライ数と言います。 同一厚みの合板でもプライ数が違うことがあり、私が多用する
18mm
合板でも
7
プライと
9
プライがありますがプライ数の大きい物のほうが、強度などの性能がよくなりますので、9プライを指定しています。
[コンパネについて一言ご注意]
コンパネはコンクリートパネルの省略語でその名のとおりコンクリート打ち型枠用に作られたものです。
耐水性が高くコストが安いのですが、表面は大変粗くて反りも大きい傾向がありサイズも90cmx180cm
とサブロクより一回り小さいです。
この特性を知った上で使うのなら良いのですが、家具の製作にはあまり向きません。
「合板は安物で使い物にならない。」
という人がいたのですが、よく話を聞いてみると
合板
=
コンパネ
そのものと間違った理解をしていることがわかりました。 コンパネはあくまで数ある合板の一種類にすぎ
ず、前述のようにコンクリートの型枠用に設計されたものだということをお忘れなく。
ランバーコア
シナ、ラワン等の薄い板を集成材の両面に貼ったもので、表面の見え方は上記の合板と同じですが、木
口の見た目が異なります。 ランバーコアは板厚が増しても3層構造で、芯となる部分は幅の狭い板を寄
せ集めた構造になっています。
この芯材の寄せ集め部分にはところどころ隙間があり、木口の見え方は綺麗とは言えませんし強度的に
も合板より落ちるようです。 但し価格的には合板より安い傾向にありますので、強度が問題にならない使い方や、小口が見えないか木口テープを貼ってしまうような使い方ではコストメリットがあるといえます。 それとスピーカーボックスを作るような場合にはこの隙間が音響的によくないと言われています。
チップボード(パーチクルボード)・OSB
細かく砕いた木材を合成樹脂と共に板材に成形したもので、強度があり傾向としては合板より廉価で、
これの表面に塩ビシートや紙シートをを貼ったものは家具用の材料として多用されています。
しかし合板よりも硬いので加工しにくく表面も粗いため仕上げに手間取るため私は使っていません。
パーチクルボード独特の表面をそのまま見せてしまうような意匠の工夫があるならば別ですが、どちら
かというと特殊ケースといえるでしょう。 スピーカーボックス用にも音響特性が良いとされています。
チップボードが木材を細かく砕いて接着剤で固めた物ですが、木材を小さく剥いだ上で
(厚めに削った鰹
節のような物と考えればよい)
接着剤で固めた物は
OSB
と言う名称で近年ポピュラーになって来ていま
す。 物性としてはチップボードに似た部分もありますが、細かく砕かれてはいないので、ある方向で
はかなりの曲げ強度があるそうです。
表面の見え方が生産メーカーの違い、使用する木材の違い等の理由で様々であり、収縮が大きい物や
収縮を押さえた物など多くの種類があります。 本来建築用ですが、表面に独特の味わいがあり好み
の問題は残るにせよこの表面を生かした家具の製作も考えられます。
MDF
(スターウッド)
粉のように細かく砕いた木材を合成樹脂と共に成形したもので、板のみならず、丸棒、角棒など様々な
形状の物が出来ますので木質系成形材といったほうが良いでしょう。 妙な言い方をすると厚い紙と言え
ないこともありません。
建築或いは家具用に化粧材として使われることが多くこの場合は塩ビシートなどで覆ってあります。
表面は平らですから塗装仕上げは楽なので場合によっては使用する価値がありますが、ネジの効きは
あまりよくなく要注意です。
(木工ボンド接合はOK)
また強度を重要視する構造用には不向きです。
単板
(ムク板)
様々な種類のムク材があり木目も大変美しく最高ですが非常に高価なのが難点であり、実用性を重ん
じる私の家具製作ではムク材の使用頻度はあまり高くないのが実状です。
ラワンはムク材の中では廉価ですので、合板が使用できない場合(屋外または準屋外用の構造材な
ど)に使用しています。 ラワン合板に対して木口の仕上げは楽な反面、表面の仕上げに手間取ること
は変わりませんし安いといっても合板よりは高いので家具用に採用することは殆どありません。
木目が大変美しく節が少ないエゾ松、米栂は高価な杉やヒノキの替わりに、また小さな工作物や化粧用には朴、アガチス、断面を丸く加工したラミン材の棒も時々使用しています。
レッドウッド
屋外使用の工作物(ウッドデッキが典型的な例)に最適な材料です。
北米産の針葉樹系木材で、トンネルを掘って自動車が通過できるような大木に成長するセコイヤもこの
一種です。 独特の赤味のある色は味わいがあるのと屋外で使用して腐れに強いのが特徴ですが、
後述するSPF材よりコストは高いです。
サイズは
2x4
(38mmx89mm)
、
2x6
(38mmx140mm)
、
2x8
(38mmx192mm)
が断面で、長さは
6フィート
(1830mm)
か
12フィート
(3660mm)
が多いようです。
SPF材
SPF材はツーバイーフォー工法に使われて急速にポピュラーになった材料です。
SPF
は、
スプルス
(えぞ松)、
パイン
(松)、
ファー
(樅)の北米産針葉樹の頭文字をつないでつけられた名
前で、これら3種類が混在しています。 簡単に言ってしまうと松系の木材ですから、割れ易い、反り、節
が多い、ヤニが大目などの問題があり水への耐性も高くありませんが、ローコストですので防腐用塗料
の併用で屋外用工作物などに良く使われています。 私も屋外用工作物や廉価に作ろうとする際の主力
として積極的に採用しています。 サイズ的には前述のレッドウッドと同一ですが、
1x4
(19mmx89mm)
や
1x6
(19mmx140mm)
のように薄くした材料もあります。
ホワイトウッド
北米産の木材の伐採量制限で供給量が下がってきている為前述のSPF材の替わりとして北欧産のホ
ワイトウッドと呼ばれるツーバイフォー材を最近見かけるようになりました。
その名の通り色が白くて綺麗で欧州赤松と聞いた事がありますが、実際の性質は国内産の赤松とは随
分違うようです。 SPFと同様割れ易く水への耐性は低く使い方もSPF材と同等に考えてよいでしょう。
集成材
ムク材を寄せ集めて接合したもので、手頃な価格で厚めのものが手に入ります。 単板のような反りも発
生しにくいです。 原材にはメルクシパイン、ラジアタパイン、ロッジポールパイン、ブナ、ナラ、タモなど
色々ありますが、カウンターや棚を作るのに便利です。
集成材は小さな木材を接着剤で繋いだ物と考えればよいのですが、その接合部分を強化するため左右
の指を交互に並べたような形から名づけられたフィンガージョイントと呼ばれる独特の接合方法を取った物
を見かけます。 このフィンガージョイントは面に出てくる物と厚み部分に出てくる物の2種類がありますが、フィンガージョイントを使った物の方が物理的な強度は高くなります。
集成材を使う際注意すべき点は、小さな材木を貼りあわせている構造のため、木目方向が一様にならずカンナで仕上げられないことです。 従って表面研磨は電動サンダーですることになります。 それと吸湿・放湿を繰り返すと接着面の剥がれが起き易くなるので、塗装仕上げすべきです。
木口テープ
これは板材ではなく天然木を薄く剥いでテープ状にした物で厚みは0.5mm前後あります。
これだけで作品を作ることは出来ずあくまで補助の材料だが完成度を高めるために欠かせない材料です。
使用方法は簡単で裏面の保護紙をはがして木口に貼り付けてはみ出した部分を切り取りサンドペーパー
で成形すれば、合板などのお世辞にも綺麗とは言えない積層部分が隠れ、あたかもムク材を使ったかの
ような素晴らしい外観になります。
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●ネジ
ネジの頭の形状
日曜大工で使うネジを大別すると木ネジと呼ばれるものとボルトと呼ばれる雌ネジのナットと併用される
ものとなりますが、木ネジ、ボルト共に頭の形状に幾つかの種類があり、皿、ナベ、トラスなどが代表的
ですが、ネジ締めを手で出来る蝶ネジ、六角レンチで締める六角ボルトも時々使用されます。
頭の形状による分類は以下のとおりです。
皿ネジ
頭の断面が皿状になっているためこの名称があります。 締めた表面が平らになるので木材の締結用に最も使用されますが、締め付けすぎると木材にめり込みやすいので、それを防止するラッパと呼ばれる形状の皿ネジの一種がコーススレッドネジでは使われています。
なべネジ
なべネジはボルトナット用で最も普及しており頭がナベを逆さにしたような形状であることからその名があります。 ねじ込んだあと頭が出っ張るので木ネジには余り使用されませんが、皿ネジのようにめり込んでしまうことはありません。
トラスネジ
トラスネジは皿ネジとナベネジの中間のような形状でナベネジほど頭の出っ張りはありません。 皿ネジのようにめり込んでしまうこともないので締結力を保ちながら出っ張りを少なくしたいような目的に使われ、例えばツマミの取り付けに使われています。
六角ボルト
ネジの頭に六角形の穴があいておりへクスレンチによって締め付けます。 高い締め付け力が得られるのと、締めたあとの装飾性が良いのが特徴です。
蝶ネジ
頭が蝶の形をしており、ドライバーなど工具がなくても締め付けられるようになっています。 同様の形状のナットもあります。
私の日曜大工においてはネジを多用しており、長年使われてきた釘は、隠し釘、仮釘などを除き殆ど使っていません。 その理由は締付力にあります。 ネジの場合締めつける力は長期間持続しますが、釘は殆ど期待できません。 スクリュー釘という締めつけ力が低下しないものもありますが、打ち間違えたとき抜くのが非常に大変です。その点ネジは締めるのも抜くのも簡単で作業性がよく釘にとって変わっています。
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木ネジ
ここでいう木ネジとは
狭義の木ネジ
でずっと昔から使われてきた物で、軸が緩いテーパー状になって
います。 木工用に使うネジというと永い間これ一種類でしたが、それよりも高性能の木工用ネジが出て
きています。 しかし現在でも小さな物になるとこのタイプが使われており、締結力は落ちるものの手締
めでも締めやすいのが特徴です。
タッピングネジ
タッピングネジと木ネジの形状の上での違いは、木ネジの軸がテーパーを描いているのに対し、タッピングネジの場合ストレートです。 このために木ネジよりもねじ込みにくいのですが、引き抜き力は大きいです。 タッピングとは「ネジを切り込む」の意味で、このためにねじ込むには力が要りますが、電動ドライバーが発達した今では大きな問題にはなりません。
種類によっては金属用のものもあり、この場合雌ネジを切っていなくても下穴だけで締め付けられるという特徴があります。
私は
12-15mm
厚の板材の場合には3.0φ、それ以上では3.5φのタッピングネジを使って木材同士を締結していましたが、現在ではスライド蝶番やスライドレールの固定に使用し、木材同士の締結・接合には述べるコーススレッドネジやスレンダースレッドネジの方を使っています。
タッピングネジで2枚の板を接合する際注意することは、上の板には下穴(貫通穴)をあけておくことで、そうしないと締め付け力がかなり低下します。
コーススレッドネジ
建築において構造材の締結用に開発されたネジでインパクトドライバーによりねじ込みます。 釘に較べ遥かに締結力があることと締結のやり直しも簡単と言う作業性のよさから、在来の釘にとって代わっています。 我々の日曜大工においてはこのネジが持つような強力な締結力までは必要としませんから、次に述べるスレンダースレッドネジが最も頻繁に使われるネジとなります。
私がコーススレッドネジを使った作品は唯一うなぎの寝床の物置でした。
スレンダースレッドネジ
軸細コーススレッド、スリムネジ、Fビスなど色々な名称で呼ばれていますが、建築における内装作業用
に開発されたネジで、前述のコーススレッドネジの軸径を細くした物と考えてよいでしょう。
我々の後用大工において従来の釘に替わるものとして、締め付け強度の高さ、やり直しの容易さ、作業
性のよさ、と言う点で絶対にお奨めです。
但し木ネジなどに比べるとピッチが粗く長いですからドライバーで手回しと言うのはいささか苦しく電動ドライバーが必要ですが、スレンダースレッドンネジであれば廉価な電動ドライバードリル
(例えば\4000程度で買えるリョービFDD-1000)
でも十分に作業できます。
スレンダースレッドネジは
5mm
刻みで
25mm-75mm
までありますが、 締結する材料の厚みの
2
倍-
2.5
倍を使用する長さの目安として考えると良いでしょう。 太さについては
25mm-50mm
が
3.3φ
ですが、
55mm-75mm
では細いと折損しやすくなるため
3.8φ
となっています。
コーススレッドネジは下穴無しでもねじ込み易いような構造になっておりこれはスレンダースレッドネジでも同様ですが、材料と材料の密着度を高めたい場合には、上側となる板に貫通穴をあけておくと良いです。
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ナット
ボルトが雄ネジであるのに対しナットは雌ネジでこれらの間に締結する物を挟んで締め上げます。
木工ではボルト・ナットの使用は少ないですが、締結力が問題となる場合や、何度も締めたり緩めたり
する場合には締め付け力の低下やネジが効かなくなる事がないのでボルト・ナットの出番となります。
私の場合スピーカーの取付け、組立て式や取り外し可能な構造とする部分に、鬼目ナットや埋め込み
ナットを使いボルトで締め付けています。 手締めが出来る蝶ナットも目的によっては便利です。
●釘
木材と木材を締結する方法としての釘打ちは大変長い歴史がありますが、ここに来てその主力に使用現場であった建築現場から衰退してきつつあります。 前述の木ネジがそれにとって代わってきているわけですが、特殊な分野ではまだ釘が使われている部分もあります。 ここではそれらの中で私が使うものについてのみ触れます。
小釘・特殊釘
使用頻度の減った釘ですがステンレス製のスクリュー釘などは締結力もありますし、特に細いものに関し
てはネジよりも薄い板材に使います。 また意匠性の濃い、丸頭で銅めっきした釘、真鍮製の釘、塗装さ
れた釘なども相変わらずネジでは対応できない分野ですし、特殊な物では波釘という板と板を連結する
釘も時には使われます。
隠し釘
木工ボンドで接合する際に使っていますが、目的は2つあります。
・接合部分に木ダボは使わずタッピングビスで締める際、接合面がずれないよう隠し釘を使う。
・木工ボンドのみでの接合時に、多少の補強と固着するまでの密着用に使う。
いずれの場合も後で釘の頭を水平に叩き、切断してしまいます。 私の使用している釘の太さは1.3mmあり、小さな穴が残りますがパテで埋めて見えなくします。
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仮釘
木工ボンドが固着するまで接合面を密着する目的で仮に使用し、固着後はニッパーで抜き取ります。 釘の直径が細いので抜いた後の穴は殆ど目立ちません。 5.5mm以下の薄い材料の接着時に使用します。
●接着剤
木工ボンド
酢酸ビニール樹脂の接着剤で木工には欠かせません。完全に固着するには1昼夜かかりますが、
3‐4時間置けば次の作業や加工にかかれます。 接着強度はいかに材料どうしが密に接触しているか
で決まるため、接合部分をネジ、隠し釘、仮釘で固定する、ハタ金で締める、クランプで締める、等が
必要です。
木工用ボンドには標準の硬化時間(2‐5時間)以外に速乾型もあり1時間程度で硬化しますが、硬化後
の柔軟性は標準型より劣り、剥離が発生し易いように思います。 また熱を加えると溶けてしまうという報告も聞いています。 価格も高いですから速乾タイプを使う必要性は余りないでしょう。 尚最近の木工ボンドはフォルマリンが入っていない人体への影響を考えた物になっています。 つけ過ぎてはみ出た木工ボンドは濡れ雑巾で拭き取れる作業性の良さが身上です。
合成ゴム系接着剤
プラスチック、ゴム、金属と木材を接着するのに使え万能接着剤ですが、有機溶剤を使用していますか
ら、はみ出たものを拭き取るにはラッカーシンナーやペイントシンナーを沁み込ましたぼろきれで拭き取ら
ねばならず、作業性は木工ボンドに劣ります。
木工ボンドが使えない接合時のみの使用としていますが最近無色透明の物が出てきており、仕上がり
がより綺麗になります。
瞬間接着剤
硬化時間が早くて一見便利なようですが、硬化時間が早すぎては困ることも多く日曜大工ではどちらかと
いうと主力ではありません。 しかし木材に入ったひびの部分の補修の目的には液状タイプは浸透性もよ
く好適です。 ゼリー状のものは垂れ難いという特徴を生かして使います。 尚液状の物で木材表面
で沁み込んで欲しくない場合には、専用のプライマー
(下地剤)
を事前に使います。
瞬間接着剤は便利に使える部分もあるものの、割高であり応急処置的な使用に適しているように思いま
す。
エポキシ接着剤
柔らかな物や一部のプラスチックには使用できませんが、エポキシ接着剤は金属にも使用でき接着強度
が高いのが特徴です。 また接着剤の殆どが目痩せといって硬化後に収縮する性質がありますが、
エポキシ系は目痩せがないのでこの特徴を生かした目的に使用します。
但し2液等量混合が原則ですから使い勝手はあまりよくありません。 硬化時間により5分から90分まで
数種類あるようですが、はみ出た部分の拭き取りも含め十分な作業時間の取れる90分型を私は使って
います。
(一番安い!)
タイル・コンクリート用
パッケージにははっきりと記載されていませんが、溶剤を使っていないことと乾燥した後のゴム状に固ま
った感触は変性シリコーンそのもののようです。 変性シリコーンというとこーキング剤で知られています
が、その類の接着剤だと思われます。
タイル、耐火ボード、レンガ、ブロックなどかなりの物が接着可能ですが、硬化してもゴム状の柔らかさが
あるのと表面が埃で汚れやすく拭き取りも困難になりますので使い方には注意が必要です。
●パテ
パテにも色々な種類がありますが、穴、凹み、段差などを埋めて平らにする目的で使います。
パテの使用は、製作中に作ってしまった傷や凹みを埋める消極的に使う場合と、ネジ穴を埋めるなど
積極的に使う場合とありますが、全てのパテに共通して言える事は、パテの面は塗料が染み込まなく
なるのでニスなどで透明感のある仕上げをする部分には使用できません。
私が木工作業で使うのは次の3種類です。
ボンドウッドパテ
これは油性のパテでどちらかというと凹みの浅いものに使用するものですが、後述するエポキシ系よりも作業性がよいので、5mm位の深い場合にも使います。 但しこの場合1回で埋めることは不可能ですので、最低2回塗り込む必要があります。 家庭用と称した某メーカーの廉価な水性のパテもありますが、ひび割れし易く目ヤセが大きいこと、塗料の乗りが悪く時間経過と共に塗料が剥がれやすい事などから避けた方がよいです。
ボンドウッドエポキシ
作業性がよいことから殆どの場合上記のボンドウッドパテを使っていますが、水に濡れる可能性のあるところや、埋めた後に釘やネジを打ちたいとき、そして穴が深いときなどには、2液混合の為作業性がやや悪く面倒ですがボンドウッドエポキシを使用します。 これは木材のみならず金属、コンクリート、石などにおける充填材として作られた物ですがパテとして使用でき接着性能も高いので、かなり応用範囲の広い材料です。 大きな特徴として硬化時に殆ど収縮しないことが挙げられます。
コーキング
コーキング剤はパテと同様充填材ですが、防水性、耐水性、対候性が高い特徴があります。
変性シリコーン系が建築用に多量に使用されていますが、専用のアプリケーターが必要なのと容量が多
すぎますので、私はバスコークと呼ばれる補修用のものを使っています。
注意すべきは一度開封してしまうと硬化が促進されますので、半年以内に使い切るようにすることです。
使用上はコーキングが付着しては困る部分をマスキングテープで覆い、隅の部分に打つときには太目の
ストローを斜めにカットしたようなへらで、余分なコーキングをすくい取ると綺麗に仕上がります。
●ダボ
木ダボ
私は作業が楽なためイモ接ぎを多用していますが、接合面のずれの力に対して弱いという短所があり
これをカバーするために木ダボを使用しています。18mm合板のときには直径8mmを、12-15mm合板の
場合には6mmを使います。 木ダボは長さが30mmですが、これを半分に切断して使うこともあります。
使用量は接合部分の長さ10‐15cm毎に1個が目安で、例えば20cm幅では2個、30cmでは3個、60cmで
は4個と言った按配です。 ダボ穴をあけるには位置を正確に出すための
位置決めジグ
(ポンチとも言う)
と木工キリがセットになったものがありますのでこれを使います。
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ニッケルダボ
棚板の高さを可変にしたい場合に使用します。 直径は8mmや9mm等あるようですが、9mmが最もポピュ
ラーなようです。 メス側の固定にはそれよりも0.5mm小さな直径の木工ドリルで穴をあけて玄翁で叩き込
みます。 従って7.5mmとか8.5mmという中途半端な値のドリルが必要になります。
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ラミン棒
木材の欄にも登場したラミン棒ですが、細い物(
6φ-10φ
)の棒は切断して角を落とし木ダボの代用として
使えます。 木ダボと異なるのは、木ダボにはある縦か螺旋状の溝がないことで引き抜き強度は落ちま
すが、木工ボンド併用で解決できます。
また細いラミン棒はネジ・釘の頭を隠すのにも使われます。 このときラミン棒の太さの穴をあけてから
ネジや釘を打ち込み、穴にラミン棒を打ち込んでノコギリで切断する。という手順を取ります。
●蝶番
普通の蝶番
蝶番というと先ず思い浮かべるのは左の写真のような物だと思います。
大きさ、材質、仕上げも様々で最も歴史が長いです。 この蝶番は取付けた後で位置調整できない物が
大半ですが、扉用の大型の物で上下左右の位置が数ミリずつ調整できるような物も出てきています。
安価であるこの蝶番で意外に知られていないのは背押しがされた物とそうでないものがあることで、小さ
くなると背押しがされていない物が大半です。
背押しがされている
と少ない掘り込みで蝶番取付け部の
隙間が小さくなり見栄えもよくなります。
スライド蝶番
私は家具製作に従来の蝶番ではなくコスト
がこなれたスライド蝶番を全面的に使ってい
ます。 理由は扉の上下、左右、前後の位
置微調整が取付け後でも出来作業性が大
変良いからです。
オーバーかもしれませんが、スライド蝶番が
あったから家具の自作に踏み切れたと言え
るくらい重要で合理的な材料です。
様々な品種がありますが、基本的に1つの
シリーズで用途によって3種類の物が用意されています。
写真は、ATOM CR100Dシリーズ - アトムリビンテック(株)提供 -
・半かぶせ 取付け部の木口に40-50%程度扉がかぶさる。
・全かぶせ 取付け部の木口全面に扉がかぶさる。
・インセット 取付け部の内側に扉を取付ける。
私がもっぱら使っている
ATOM
の
CR100Dシリーズ
は、開口角度100度、取付穴直径35mmのもので、上下・左右・前後の調整が数ミリの範囲で可能で、取付はワンタッチ、スプリングの力で扉が閉まるキャッチ付きですが、廉価にもかかわらずトラブルを全く経験していない高い信頼性があります。
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スライド蝶番を使うには、直径35mm深さ11mmの座繰り穴
(CR100°の場合)
を掘らなければなりませんが、
フォスナービット
も求めやすくなってきましたので現在ではネックとはいえないでしょう。 また作業性の悪化を我慢するのであれば、
可変ビットを加工
して代用することも可能です。
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特殊蝶番
特殊な蝶番を挙げだしたらキリがないくらい沢山ありますが、私が時々使うものは差し込み蝶番という扉
の取り外しが出来る物、ドロップ蝶番という折畳式のテーブルトップに使用するもの、アングル蝶番という
全被せスライド蝶番に似た物、ガラス蝶番などがあります。
丸型の形状のミシン蝶番やアングル蝶番の取付には前述の座繰り用キリが必要になります。
左写真にはその一部を載せていますが、使用目的によってベストな蝶番を探すのも日曜大工における
楽しみの一つと言えるかもしれません。
●スライドレール
引き出しのレールやそこにうまく収まる引き出し本体の製作は意外に厄介なもので動きもスムーズさに欠けやすいですが、現在ではたいへんリーズナブルな価格でスライドレールが入手可能となりましたので、私は積極的に使用しています。
レールにも色々の種類がありますが、大別するとプラスチック車輪を使った軽・中量級の2段式や3段式、そして本格的な重量級のスチールボールを使った物の2グループに分けられます。 但しコストが下がって使いやすくなったとは言え、技術情報が事前に入手できないと正しく使用したり設計することが不可能ですから、十分な技術資料やメーカーのサポートが重要です。
2段式スライドレール
プラスチック製の車輪を使い2本のレールで構成されレールの長さは300mmから600mm迄50mm間隔で
あります。 スライド量はレール全長より75-100mm程短くなります。
耐荷重は長さ400mmの物で20kg-30kg位とれますから、タンスなどの引き出し用に絶好です。
取付け方に底付け式と横付け式の2種類がありますが、底付け式の方が耐荷重が大きく取れます。
引き出し側と本体側のレール間隔の精度にシビアではないため初心者でも使いやすいのが特徴です。
私の製作例では整理ダンスの引き出しやコンピューターのキーボードテーブル等で40箇所に使われております。
註:
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3段式スライドレール
2段式と同様プラスチックの車輪を使いレール自体が3段になった物でスライド量がレール全長-22mmも
ありますので、引出しの奥のものも取り出しやすい物が出来ます。 また耐荷重も400mmレールで30kg
迄とれますので、本がぎっしり詰まるような引き出しの製作も可能です。
但し2段式に比べると価格が高いことと、引出し側レールと本体側レールの間隔の精度が0〜0.5mmという厳しい条件が付きますので、2段式に比べかなり高い工作精度を要求します。 レール長は標準では300mmから550mm迄50mm間隔ですが、700mmの物までなら特注可能です。
私の製作例では机横の本など重いものを収納する引出し、使い勝手状手前まで引き出したい目的など35箇所で使っています。
註:
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重量級スライドレール
プラスチック車輪の替わりにスチールボールを使い耐荷重が大幅にアップされた物です。 3段式ではスライド量がレールの長さ以上に取れますので、引出しの全てが外に出てくる構造の物が作れます。 但し引き出し側と本体側のレールの取付け誤差は殆ど許されませんのでそれなりの設計と慎重な加工・取付けを必要とし、コストもかなり高くなります。
私が使用した例は
冷蔵庫横のスライド収納
をご覧下さい。
写真は、アトムリビンテック(株)提供
●ツマミ
小さな部品ですがこれが決して侮れない部品です。 作品の写真をご覧頂くと判るのですが、私は仕上
げに関して2液性ウレタン塗料を多用しています。 この2液性ウレタン塗料は少量の使用には不向き
なため全て極淡いベージュ色に統一しています。 となると全く同一のカラーイメージとなり、ある意味で
は面白くありません。 そこを救っているのがツマミです。 今まで使用したツマミは8種類ありますが、
それぞれが独特の雰囲気をかもし出してくれて作品を締めています。 従ってツマミの選択には、出来
上がったときのイメージをあれこれと想像しながら充分な時間をかけてやりたいものです。
ツマミを選んでから設計に入る。なんていうアプローチもあって良いのではないかと思います。
ところでツマミに関してデザイン的見地からではなく取り付け上注意する点があります。 取付け方には、
@ツマミの取り付け面の反対側から固定する。
Aツマミにネジが埋めこんであってつまみの取付け部分にナットで固定する。
Bツマミに木ネジのようなネジを埋めこみツマミを回転させながらねじ込む。
があります。 そしてそれぞれ組み合わせるネジに配慮が必要です。
@のタイプ
これを採用する場合取付けるネジの長さを決めます。 特殊なものを除き、つまみに切ってある雌ネジの深さは
7-11mm
で
すので、取付ける部分の厚みよりも
5-7mm
長くします。
私の場合扉は全て厚さ
18mm
ですので
25mm
を、引出しは箱が
12mm
厚で取付く前板厚が
5.5-9mm
の場合は
25mm
、
前板厚
12mm
の場合は
30mm
、そして前板厚が
18mm
の場合には
35mm
といった具合です。
店によってはツマミの購入時にこれらネジの長さを選択できず別に購入しなければならない場合が多く無駄なコストに繋がった
り、切断する手間が増えたりします。
Aのタイプ
これの場合にはネジが既に埋めこんであるため長さの選択は出来ません。 従ってかなりネジは長めにしてありますので、
必要な長さで切断することになります。 また取付け時にもネジとナットが表面に出ないような加工をする余計な手間が掛かり
ます。
Bのタイプ
このようなツマミは標準ではまず販売されていませんが、@のタイプに別売の特殊なネジを組み合わせて使います。
あとツマミで気をつけねばならない点としてISOネジとインチネジがあります。 輸入されたツマミの中にはインチネジが切ってあるものがあります。 このツマミにISOネジをねじ込むことは不可能ですので、ネジの選択に注意しましょう。
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質感が極めて高い
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●塗料
(2005/10/14 改訂)
塗装は木部・金属部の水分などによる腐れ・錆びから材料を守り長期にわたる寿命を確保するというのが最も重要な目的です。 そして「表面を美しくすること」はどちらかと言うと二次的なテーマです。 こういった基本性能の点で家庭用の塗料は業務用の塗料に比べていまいちという物が多いのは事実です。 しかしながら業務用塗料は取り扱いが面倒なものが結構あることと最少販売単位が大きすぎるという問題もあります。
塗料の性能の本当の所は塗ってから数年経たないと判らない事が多いので、それら業務用塗料と家庭用塗料の比較に関し、良し悪しの結論をなかなか出せずにいましたが、一連の作品を作り始めて10年を経過した現在かなり明確になりました。 そして家庭用塗料と呼ばれる商品でも大変優秀な物があることが判ってきました。 さらに現在では環境や人体に優しい水性塗料か?それとも長年の実績のある油性塗料か?の問題の方が、業務用、家庭用の問題よりも大きくなったように思います。
そこでそれらの比較を前提にお話を進めることにします。
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油性塗料
塗料が発明されて今日まで使われてきた油性塗料は塗料としての基本性能は未だに水性塗料を上回っています。 有機溶剤を使うため環境に優しくない! 溶剤の臭気にどうしても馴染めない! といった点で問題視されてはいるものの、その基本性能の良さと長年の実績から来る量産効果による低コストにはまだまだ魅力があります。
* 油性ニス
木工が主体となる日曜大工で塗装というとニス塗装が最も重要です。 それはなんと言ってもニス塗りの透明性がもたらす下地が透けて見える
(木目が映える!)
効果が大きい点にあります。 木目を生かすには生地のままで何も塗らない! 或いはワックスを掛けるだけ!という考え方もありますが、表面保護の観点ではニス塗りを施した方が良いと私は考えます。 ちょっとしたテクニックを使えば白木のままのような仕上にする事も可能で何もしないより遥かに美しさを長期間保てます。
ニスにも様々な種類がありますが、私は和信ペイントの油性ウレタン着色ニスを大変高く評価していま
す。 その理由は先ず扱いやすい事、乾燥時間がペイントなどに比べると早い事
(3時間前後)
、充分な基
本性能を有している事、そして着色とニス塗りが同時に出来る事などが上げられます。
耐熱性は100-120℃程度あるようですから、熱湯に対しては充分な耐性があります。
最近では屋外用に使ったらどうなのか
(これは最も厳しい使用環境です。)
試しておりますが、直射日光
に長時間晒される事がなければ十分使用可能ではないかと思います。
註:
和信ペイント
油性ウレタン着色ニス
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以前は左の写真にある業務用のニスである
速乾ドリーム
を使っておりました。
1液性ウレタンニスで化学反応により15分程度で指触乾燥に到達するという大変作業性が良く、ニスによ
くある黄ばみも少ない高性能のものでしたが表面にブツブツが出来ることがあり購入した店でしつこく尋ね
た所、
木材中に含む水分が多いと泡を発生する!
との説明で、良い事尽くめの説明を受けていただけ
に信頼感を失い、刷毛の再利用が出来ず小面積の塗装では刷毛の負担がかなり大きくなるなどの問題も
あり、最近は上で述べた油性ウレタン着色ニスが主流となってしまいました。
* 油性ペイント
(木目塗りつぶしタイプ)
ペイントで最も高性能なものを求められるのは建築物外壁、自動車、橋梁、船舶に使われるもので、何れの場合においても厳しい環境で使用されるために耐久性を始めとした基本性能が最も重要視されます。 そしてその意味では水性塗料がもっとも苦手としている分野で、油性塗料の優位性はまだまだ長く続くと思われます。
そのような環境で業務用のペイントで建物外壁用として実績の高い
2液性ウレタン塗料
(ファインウレタ
ンU100)
を私は使っており大変満足しています。 現在は同じシリーズの1液性タイプがありほぼ同じ性
能のようで、2液性よりも取り扱いが容易な為こちらに変更しました。
近くのプロ用塗料店で好みの色を混合してもらえることもあって、屋外のみならず屋内用にも使っていま
すが、いずれも油性とは言っても従来の溶剤が揮発して硬化するのではなく化学反応によって硬化する
ために、その性質に従った注意と配慮が必要です。
・塗装面の物理的強度が高く傷がつきにくい。
(家庭用のアクリル系ペイントとは大きな差があります。)
・表面が汚れても汚れを落としやすい。
・化学的にも丈夫で高温への強度が十分にある。
といった点で大変満足しています。 但し良い事ずくめばかりではなく、
・最小購入単位が4kgと大きい。
(2回塗りをしたとして、約14m
2
を塗れるので、小面積を塗るにはもったいない。)
・使用した残りの塗料の保存/後日使用は出来ないので、使用量の見積もりが重要且つ難しい。
・2液型は塗料原液9に対し硬化剤1を混合するのが面倒で、5時間以内に塗装作業を終えないといけない。
・塗料容器にあけて3時間以上経過すると粘度がかなり上がってきて、刷毛むらの原因となる。
・刷毛の再利用は殆ど不可。 使い捨てと考えないとならない。
といった問題もありますが、それらは業務用という観点からすると仕方ないことのようです。
大きな面積をペイントで」塗る場合には上記の業務用塗料を使っていますが、一方のホームセンターで購
入出来る家庭用塗料の使用頻度は余り高くありません。 それらの成分はアクリル樹脂、アルキッド樹
脂などが多いようで、私の経験では業務用塗料に比較して性能が劣る、乾燥時間が遅い
(4-6時間が多
いようだが、あるメーカーの物は表示されている時間の数倍の乾燥時間を要した事もあった。)
、自分の
好きな色に調合してもらえないという問題があるからです。
(ホームセンターで調合してもらえるのは水性
塗料の一部に限られるようです。)
割高ではあるのですが、アクリル樹脂系のスプレー塗料やプラモデル用の塗料
(これもアクリル系)
は色の種類が豊富なので、耐久性など性能を重視しない小さ
な作品や文字部分を書くのに使用しています。
スプレータイプの塗料は本格的なスプレーガンで噴霧した霧状の塗料の粒は大き
いですが、それでも完全に平らな面を仕上る時は平滑度が刷毛塗りよりも遥かに
良好に保てます。
* 油性屋外用木部塗料
屋外用木部に塗装する塗料では木部の腐れ防止が大変重要でありこの目的の為に防腐剤や防虫剤を混入したものとなっています。 そして木目を引き立てるステイン系の塗料
(WPステインと呼びます。)
が主流であり、その代表としては正倉院の外壁にも使用されたキシラデコールが知られています。
私はこの分野での塗料に関してこれまで3社の塗料を約2年間の耐久試験をしてみた事がありますが、
和信ペイントの
ガードラック
を大変高く評価しています。 その理由は木材保護能力の点で抜きん出た性
能を確認できているからです。
(知られているキシラデコールに対し、実力のガードラック?)
ガードラックの高性能保護力は、三共製薬との共同開発により国内で開発された防腐剤にありそうです。
腐れや虫害は高温高湿度下で特に進行しますので、そのような気候を熟知した環境での防腐剤の国内
開発に優位性があるからです。
(私は以前欧米に滞在していますが、高温高湿という気候は欧米ではメジャーではなく日本独特の気候です。)
更に調べてみるとガードラックは公共機関、学校などの木造建築に使用されている実績が多数あり、この点も評価しています。 唯一の弱点は刺激臭が強いことですが、屋内で作業するわけではないので、大目に見ないとならないでしょう。 どうしてもという場合には後述する
ガードラックアクア
という選択肢もあります。
註:
油性WPステイン
ガードラック
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水性塗料
環境や人体に優しい水性塗料の使用は余り表面化はしていないものの政府も強くその開発を塗料メーカーに求めているようで、行く行くは油性塗料に置き換わると考えられます。 しかしながらその掛け声やメーカーの宣伝とは裏腹に塗料に本来求められる基本性能という点で、水性塗料はイマイチであることが多いことと、市場価格が油性塗料よりも高めになっている傾向があります。
しかしこの価格が高めであることは溶剤として廉価な水を使える点で余り大きな差はないとも言えます。
* 水性ニス
各社が販売している水性ニスはその殆どがアクリル系のものです。 そして総ての基本性能の点で油性
塗料に大幅に劣る物ばかりでした。 私が愛用している油性ウレタン着色ニスの和信ペイントも、水性ニ
スでは同じようなレベルの物でしたが、業務用に開発されそれが家庭用に販売開始されたウレタン系の
水性ニスが登場し状況は大きく変化しています。
結論から言うとそれらウレタン系水性ニスは油性ニスに基本性能で匹敵し、例えば耐熱性については従
来の水性ニスでは60℃程度しかなかった物が、100℃以上にも耐えられるようになっています。
耐磨耗性に関しても体育館の床のような運動靴で強く擦られるような場所でも充分な耐久性を発揮するものもあり、水性だから?!という既成概念を完全に覆しています。
おまけに水性塗料共通の乾燥の速さというメリットに加え食品衛生法に適合する物まで登場し、油性塗料以上に優秀な面すらあります。 そういった意味で今後ますます嘱望される木工作品の仕上の材料ということが言えます。
註:
ウレタン系を始めとした
各種高性能水性ニス
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* 水性ペイント
油性塗料のような刺激臭や引火性もなく濃度を薄めたり刷毛を洗うにも水が使え取り扱いが楽ですが、
塗料としての基本性能はかなり犠牲になっています。 材質はアクリル系が殆どですが、艶ありは乾燥し
ても表面がべたついたり材質によってはくっついてしまうことがあり私は殆ど使っていません。
つや消しタイプの物はいつまでもべたついたりくっつくと言う問題が少ないので、耐久性を考慮しなくて良
い場合や乾燥時間が早いなどのメリットを生かした目的で使うことがたまにあります。
* 水性屋外木部用塗料
これまでに3社が販売している水性の屋外木部用の塗料を試してみました。 その中には和信ペイントの
家庭用も含まれていましたが、結論から言えば総て満足できる物ではありませんでした。
耐久性が1年以内がせいぜいというのがその理由です。
唯一の例外というと和信ペイントの業務用である
ガードラックアクア
です。 この
塗料はマイクロカプセルに入った防腐剤が少ずつ沁みだすことにより、長期間防
腐効果が持続するという仕掛けで、油性の屋外木部用塗料で述べたガードラックと同等の性能を確保しています。
(右の写真参照)
但し現在は業務用にしか販売されていませんので、最少購入単位が
1.6
リットルになってしまいますので、大きな面積でないと採用し難い面があります。
註:
高性能水性屋外木部用塗料
ガードラックアクア
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* 水性着色剤
ステインとも言いますが、透明なニス仕上げをする際に木材表面を好みの色調にするために使います。
油性と水性があり顔料の細かさでは油性の方が高く発色も良いとされていますが、私の経験では水性で
も十分な発色が得られること、より多くの色が販売されておりそれらを混合することにより広範な色が出
せることそして水性・油性どちらのニスで仕上げても良いことから、水性ポアステインを使っています。
注意としては着色する板材自身の色や沁み込みやすさによって実際の色は変わってきます。 その傾向
は次のとおりです。
木材は材質によって元々赤っぽいラワンのようなものや、かなり白っぽいシナのようなものがありますが、大なり小なり赤味や黄身を帯びています。 この赤味や黄身がニスを塗ると強調されます。 木材に水をたらした時に色が変化しますが、ニスを塗った場合にはこの色の変化が恒久的に続くというわけです。
(日焼けによる色の変化は別として)
またラワンはシナと比較するとステインを吸収しにくいため、同じ濃さのステインでもシナと比較するとあまり濃度があがりません。 逆に染み込みやすいシナの場合にはかなりステインを薄くしても着色濃度が上がります。
註:
油性/水性何れのニスにも使える
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